蛋白質科学・神経科学を融合することで、
神経科学において神経疾患などをターゲットとした
「創薬」を目標に
教授
清水(小林) 拓也
「一世之智勇ヲ推倒シ、万古之心胸ヲ開拓ス」今、目の前の研究は決して限られた人の為だけではなく、後世の人たちまで幸せにできるような「くすり」創りへと繋げることこそが、我々の信念になります。医化学とは、医学部で学ぶ生化学分野であり、生命現象を司る生体分子の化学反応を理解し、医療に役立てようとする学問です。私たちは、蛋白質科学(構造生物学、生化学など)と神経科学的アプローチにより、蛋白質分子の機能を原子レベルから個体レベルまでの解析を行い、生体における蛋白質分子の役割を解明します。そして神経系の異常を基盤とする病態への治療法の開発および創薬にターゲットを絞り、「くすり」の標的となる蛋白質分子を制御する化学物質・分子を探索・設計することで、「くすり」の種を見出したいと考えています。最終的には、蛋白質科学・神経科学を融合することで、神経科学において神経疾患などをターゲットとした「創薬」を目標としています。研究手法としてはカラムを用いた古典的な「蛋白精製」から、最新の「ゲノム編集」、「分子イメージング」、「行動解析」、「構造解析」まで多様なアプローチを試みます。現在、研究室では革新的先端研究開発支援事業AMED-CREST(画期的医薬品等の創出をめざす脂質の生理活性と機能の解明)「プロスタグランジン受容体の立体構造を基盤とした創薬開発を目指す革新的技術の創出」、創薬基盤推進研究事業AMED「最新の構造解析技術を活用したGPCR創薬のための技術基盤の構築」という研究開発課題で研究を進めています。医学において基礎研究は、常に新しい発見が求められます。しかし、世界で誰よりも早く新しいことを発見することは決して簡単ではありません。夢を諦めない強い精神力、そして一緒に乗り越える仲間は不可欠です。実験には研究者の柔軟な発想力・思考力、斬新なアイデア、チャンスを逃さない行動力・決断力が必要となります。医化学講座では異なる分野の研究バックグランドを持った仲間がたくさんいます。一人一人のアイデアを大切にしてお互いに協力することで、それらのアイデアを一つ一つ形にしていきます。そんな環境の中で我々と一緒に研究してみませんか?まだこの世界に誕生していない歴史に残るような新しい「くすり」を開発し、次世代に貢献してみませんか。「敬天愛人」の心を忘れずに日々の研究に打ち込みたいと思います。
連絡先 E-mail: kobayatk [at] hirakata.kmu.ac.jp ([at]を@に変えてご使用ください)
- 専門分野
- 生化学、薬理学、構造生物学
- 出身大学
- 金沢大学薬学部薬学科
- 京都大学医学研究科
- 資格
- 薬剤師
第一種放射線取扱主任者
第一種衛生管理者 - 所属学会
- 日本生化学会、日本薬理学会